「一眼レフ V.S. ミラーレス」というトピックは面白い。大半の人はフィルムからデジタルへ変わったのと同様に、取って代わる2つの世代という見方をしている。してはいるのだけれど、カメラは趣味性が高い上に高価な道具なので、それぞれに思い入れを持つ人達が「一眼レフ派」と「ミラーレス派」を形成して喧々諤々と自派閥の優位性を説き合う様は、何かを愛する人の純粋さ的なものが感じられて嫌いじゃない。まあ、相手側を感情的に否定しはじめる人は嫌いだけれど。
昨日CP+ 2017に行ってE-M1 Mark IIを触ってきた。E-M1 Mark IIは、E-M1から大きく改善されている。触らないと分からないようなスペック表に載らない改善が自分にとっては大きくて、グリップの握りやすさ、ボタンレイアウトの微妙な改善、E-M1と使い心地が変わらないサイズ感や、シャッター振動の小ささ、控えめなシャッター音などなど。さらに外観にも新旧並べて見ないと気付かないようなマイナーな改善があって、道具としての洗練度がかなり上がったと思う。余談だけれど、自分にとっての「良い道具」は必ず数値化できないところに作り手のこだわり(愛)が込められていて、そこが魅力を放つと思っている。E-M1 Mark IIはスペック向上が目覚ましい分、そうした部分をあまり意識していなかったのだけれど、実際に触れて欲しくなってしまった。
話を「一眼レフ V.S. ミラーレス」に戻すと、さて、一眼レフはマクロにはロストテクノロジーとして消えていくのかもしれないけれど、個人的には趣味の道具として残ったらいいなと思う。プリズムや半透過ミラーといった光学技術は純粋に興味深くて、初めて仕組みを知ったときには「こんな方法よく考えたな!」と思ったもので。ただ、レンジファインダー機におけるLeica Mのように時代を超えて生き続ける機種が現行の一眼レフ機の中にあるかと考えると、どれも厳しそうだなと思ってしまう。まず35mm版「フルサイズ」の機種は趣味の道具としては致命的なレベルで大きく重い。趣味だったらどこかに気軽さが無いと、新しい人が入って来ないまま消えてしまうと思う。APS-Cサイズのデジタル一眼レフは論外だろうね。なにせフルサイズと同一マウントでセンサーサイズが小さいだけの「サブ機・廉価機」と位置付けられて、メーカーにすら愛されていないんだから残るわけがないなと思う。
うーん、一眼レフは趣味の道具としても残れないかもしれないなぁ。それは、ちょっと寂しい…というより、もったいないように感じるなぁ。Nikon DfがNikon FMぐらいのサイズだったら、きっと残ると思うんだけどなぁ。