気が向いたので、FLACの圧縮率と圧縮速度をいろいろなパターンで計測してみた。おそらく圧縮率と圧縮速度は標準の「圧縮レベル5」がベストバランスという結果が出るだけだろうな、と思いつつ。
実験結果など
Perfume — JPN
最初はPerfumeの「JPN」を実験台に。このアルバムはマスタリングで非常に強くコンプレッサーをかけているようで、全体の波形を表示すると「どう見てもクリッピングして音が割れてるだろ」と思うようなとんでもない形になっている(が、超絶技巧マスタリングなのか音は良いと感じるので不思議)。おそらく圧縮率は非常に悪いだろう。
さておき、このアルバム全体を一つのWAVファイルとして取り込んで、圧縮レベルを変えつつFLACにエンコードしてみた。その結果、圧縮率と速度のグラフは次のようになった。なお3回実験して得られた平均値を使っている。(ほぼ意味無いけれど)誤差棒は標本偏差。
圧縮率の推移をみると圧縮レベル4(図中flac -4
)に達するまでは順調に圧縮率が上がり、それを超えると改善効果が薄くなる。その一方で処理時間は圧縮レベル6以上で急激に増大する。どうやら圧縮レベル5がベストバランスのようだ。
toe — HEAR YOU
続いてtoeの「HEAR YOU」。こちらは聴いていて「音が良いな」と感じていたので選んでみた。マスタリングコンプレッサーは使っているだろうと思うけれど、実際に波形を表示してみても「隙間」がある。そこそこの圧縮率が期待できるだろうか。
再び、アルバム全体を一つのWAVファイルとして取り込んで、圧縮レベルを変えつつFLACにエンコードした。その結果、圧縮率と速度のグラフは次のようになった。
圧縮率の推移を見ると、面白いことに圧縮レベル2と3で逆転現象が起こっているが、全体的な傾向はPerfume JPNのそれと同じで圧縮レベル4までは順調に改善し、それを超えると改善効果が薄くなる。処理速度も同じ傾向で、圧縮レベル6から急激に増大する。ベストバランスは圧縮レベル5だろうか。やはり5か。
ドボルザーク交響曲第九番「新世界」
最後はクラシック。ドボルザークの「新世界」を。少し音楽が好きなら誰でも知っているだろうけれど、オーケストラはダイナミックレンジが非常に大きい。するとクリッピングする箇所があったとしても少ないだろうと想定される。このアルバムの波形を見ると、ほとんどクリッピングしていない。おそらく高い圧縮率が出るだろう。
これまでの実験と同様に処理した結果、圧縮率と速度のグラフは次のようになった。
圧縮率の傾向も処理速度の傾向も、これまでの例と変わりないようだ。ベストバランスは、やはり圧縮レベル5。
まとめ
やっぱり、標準の「圧縮レベル5」がベストバランスだった。