これまで写真の整理目的でLightroomのキーワード機能を多用してきたのだけれど、キーワードの階層化をなるべく使わないようにしようと思う。
Lightroomのキーワード機能は個々の写真にキーワードを登録する機能で、写真を検索しやすくするために使う。Lightroomの中でしか意味が無いのであれば大きな魅力は感じないところだけれど、現像結果として書き出されるJPEGファイルにもそのキーワードを埋め込んでくれるのがポイント。というのもFlickr(500pxなどでも)ではアップロードしたJPEGファイルに埋め込まれたキーワードを「タグ」として自動設定してくれるので、Lightroomでキーワードを設定しておけばアップロード時のタグ付けが不要になる。これは、メリットだと思う。
Lightroomのキーワード機能で面白いのは、キーワードを階層化できるところ。たとえば白鳥(swan)は鳥(bird)の一種なので「birdの中にswanというキーワードを作る」と、白鳥の写真にキーワードとして「swanだけ」を登録しても「bird」で検索すればヒットする。また、その写真の現像時に「birdとswanの両方」のキーワードが埋め込まれるようになる。なるべく多くの人に写真を見てもらいたいなら、こうしたキーワードの階層構造を作っておくとキーワード数が増えるので有利…かもしれない。(以下、便利のためbirdの中のswanをbird > swan
と書きます)
こういう機能が便利だと分かった後、あまり深く考えず色々なキーワードを階層構造にまとめていった。すると、運用していくにつれてキーワード階層化が適していない場合もあると感じるようになった。たとえば「桜」。次の写真を見ると:
桜の木なのでtree > sakura
(treeの中にsakura)というキーワードを作れば良いと思う。桜は木だし、問題無いね、と。しかし次の写真を見ると:
これは桜の「花」の写真であって、桜の「木」の写真ではない。ではtree > sakura
とは別にflower > sakura
を作って使い分ければ解決できるかもしれない。まあ、使い分けはできるだろう。ただ、次の写真を見ると:
これに写る桜は…「sakura blossom」だろうか。うーん、自分の感覚では、treeでもflowerでもないと思う。じゃあsakura blossom
というキーワードを別に作るか?いや究極的には検索が目的でキーワードを付けているのだから、何者にも属さないsakura
とblossom
の2つを付けるべきだろう。すると、tree > sakura
とflower > sakura
とsakura
という3つのキーワードを使い分けていけば良いわけだ。
……いや、正直、面倒くさすぎる。というかカラスが主役の写真を前にして桜のキーワード付けで悩まされなければならんのか。もう階層構造をやめて、どのキーワードの下にも属さないsakura
だけを用意して、桜の木ならtree
を追加で設定、桜の花ならflower
を追加、で良いんじゃあないかと思う。
という感じで、今に至る。そもそも階層化とは「分類すること」なので、最初から答えが無い世界だ。ちなみに、2年ほど使い続けた自分のLightroomのキーワード階層を見てみると、生物の階層と地理の階層しか出来上がっていない。しかも生物の方は「桜」のように例外が出てきている。またJapan > Kanagawa > Yokohama
などとした地理の階層も微妙で:
- 「神奈川というキーワードで写真を検索するヤツなんているのか」という疑問があるし(国名なら文化、都市名ならそこの風景を目的に検索するが、県で検索する?)、
- 整理の観点でも「神奈川県の写真は何枚あるのかな?」を調べやすい程度のメリットしか無い…というか調べないのでメリットが無い。
おそらく白鳥と鳥のような場合には階層化で悩むことも無いだろうと思うので全否定はしないけれど、ほどほどにしないと時間の無駄になるなと思う次第。