iPhone 6のカメラ(レンズ)の焦点距離について調べていたところ、通常の写真モードで撮影した場合とスクエアモードで撮影した場合とでExif情報に記録される焦点距離が変わっていることに気が付いた。興味を引かれたので過去の写真から調べた結果が次の表。
機種 | 撮影モード | 焦点距離 | 35mm換算焦点距離 |
---|---|---|---|
iPhone 5 | 写真 (Photo) | 4.12mm | 33mm |
スクエア (Square) | 4.12mm | 44mm | |
iPhone 6 | 写真 (Photo) | 4.15mm | 29mm |
スクエア (Square) | 4.15mm | 39mm |
どうやら、35mmフィルム換算の焦点距離値はスクエアモードで撮影した写真の方が長くなっているようだ。その一方で本当の焦点距離値は、レンズの物理的な焦点距離をそのまま記録しているようでモードによらず一定。調べたところ後者はEXIF仕様に由来しているようだ。以下Exif 2.1の仕様書より引用:
FocalLength
The actual focal length of the lens, in mm. Conversion is not made to the focal length of a 35 mm film camera.
なんとなく、撮影後の切り抜きはおろか「撮影時のアスペクト比の設定変更」も考えていないような印象を受ける文章。仮にそうだとしても、書かれたとおりに解釈するのが”Standard”というものなので、単純に物理的なレンズの焦点距離を記録するのが自然だろう。なお35mm版換算の焦点距離の方は「JEITA CP-3451」にて定義されているらしいけれど、無料では読めないようなので分からない。どういう文章表現で定義されているのかは興味あるけれども、それを調べるだけのために購入する気はさすがにしないな 🙂
さて「焦点距離が35mm版で換算したところの何mmのレンズを装着した場合に撮れる写真か」を記録するという話。写真を「撮る」個人としての感想は、分からなくはないけれど、ほとんど価値は無いと思う。というのも、まず35mm換算の焦点距離はハードウェアスペックではなく「写真の世界における画角の単位」なので、間違いなく写真に詳しい人のための数値だ。そして、写真に詳しい人は作品作りの一環として切り抜きも平気ですると思う(すべき場合ね)。ならば最終的な写真作品はExifに記録された換算焦点距離が示す画角と異なる画角の映像になりうるわけで、それに切り抜き前の換算焦点距離なんてものが添えられていても混乱を招くだけで何も良いことが無い。なお、物理的なレンズの焦点距離の方は「どのようなレンズで撮影したか」、つまり撮影者の意図が反映されていることもあるため、一応の価値があるんじゃあないかなと思う(レンズ名に焦点距離を含まない機種もあるので…)。
なお、写真を「整理する」個人としての感想は、画角を基準に写真を検索・選別する場合に役立つのであった方が良いと思う。でも、無いならないで良いかな。というのは、Lightroomで管理している場合は35mm版換算の焦点距離や画角を表すキーワードを各写真に入れてしまえば同じことができるから(例: 24mm, 50mm, 85mm, wide-angle, standard-lens, mid-telephotoなど)。まあ、とはいえ、そもそも画角で選別したくなるケースは滅多に無いんじゃあないかなと想像している。衝動的に「一番自分が使っている焦点距離はどれかな?」とか調べたくなった場合ぐらいじゃあないかな。