4月25日に国立新美術館で催していたルーブル美術館展にフェルメール『天文学者』を見に行ったときに、写真も撮っていた。今日はその中から何枚か。
何はともあれ国立新美術館という建物。黒川紀章の最後の作品ということで、建築に興味のある人であれば絶対に知っているであろう建築物。…のようだ。自分は建築に興味を持ち始めたのはごく最近で、しかも本の一冊も読んでいないほど浅はか。逆に、そんな自分でも知っているのだから非常に重要な建物なのだろうと思う。碧色のガラスをあしらった壁が描く独特な曲線がその外観に個性的な印象を与えており、一度見れば誰も忘れえないのではないかと思う。外観だけでなく内観も非常に印象的で、巨大な円錐を逆さにして地面に「突き刺した」ような構造物が2つある。これが自分にとって国立新美術館で一番印象に残っている部分だ。だから、というわけではないけれど、ガラス張りのエレベータータワーの壁面に映り込んだ円錐を撮影してみた。
広さを感じる写真になるようLX100の広角端(換算24mm)で座り込みながら上を見上げつつ撮影。Lightroomで若干の階調調整、明瞭化、先鋭化を施した。改めて見ると、もう少し絞った方が絵としては良くなったかもしれない。とはいえ屋内なのでこれ以上絞ると手ぶれしそうだ。ま、良いだろう。しかし、さすがというか、被写体が素晴らしい。
外に出ると、日が沈み始めていた。せっかく来たので美術館の外観も撮ろうと思ったのだけれど、良いアングルが見つからない。そうこうしているうちに、別館の壁面に反射する夕日の色が綺麗だったので、なぜかそちらを写していた。
うーん、ダメだな。LX100のファインダーで見える赤色とLightroomで現像する赤色とは、かなり違う。もちろん目で見た赤色とも違う。これは、感じた印象を「そのまま」写真にできていない失敗作。まあそもそも絵的にも面白くないが一番の問題か。ちなみに前回LX100で「夕日だけ」を撮影したとき、Lightroomのカメラキャリブレーションで赤の色相を-3に、彩度を+20にしていた。なので今回もそれを適用してみたけれど、少し空の色が不自然な気がして、少し控えめに(彩度を+10に)変更している。やっぱり色の調整は難しいな。
さて、そうこうしているうちに思った以上に遅い時間になっていた。この日の日没は18時22分。一時間も待てば日が沈むな、ということで散歩がてらにミッドタウンまで歩き、近場のカフェで時間をつぶしてから夕暮れ時の街を撮ることにした。一応、あらかじめ撮影スポットを何カ所か事前に決めておいてから時間をつぶし、日の光が赤みを帯び始めた頃にカフェを出て、撮った。…のだけれど、非常に出来の悪い、つまらない写真しか撮れなかった。まあ、たいていはこんな感じだね。
ちなみに全然関係無いけれど、ミッドタウン近場の6BTカフェ、ハンドドリップコーヒーがすごくおいしかった。メニューに書かれていた通り、雑味の無い透き通るようなコーヒー。写真、撮っておけば良かったな…。
夕焼けの良い写真は撮れないかも、ということで次は月に注目。月の前景か映り込みか、面白い絵になりそうな組み合わせは無いかと探してふらふらしていたら、ミッドタウンの目の前にあるビルが工事中で、そこからクレーンがニョキっと生えていることに気付いた。方角的にはバッチリだ。となれば、お遊び写真を撮るしかない。月の位置とクレーンが意図した通りの位置に来る場所まで移動して、何枚か撮影した。
クレーンと月の位置関係がベストになる場所は、横断歩道の真ん中だった。なので信号待ちの間にカメラの設定(絞りとISO感度とホワイトバランス)を済ませておき、青信号になると見上げながら足早に位置を決め、撮影し、渡りきった。構図を吟味する余裕は無いので渡る前に考えていた構図以外にも定番構図を何ショットか撮っておき、後で確認することにした。その予備策が功を奏し、予備で撮った構図のうちの一つが一番良かったので、それを残すことにした。まあ、あらかじめこの構図を予想できなかったのは、まだまだ未熟ということでもあるね。