Panasonic DMC-LX100。このカメラは本当に気に入っていて、ほとんど毎日これを持ち歩いている。ただ「カメラが出力するJPEGの発色が好みでない」という点だけはどうしても解消できない。LX100のRAWファイルをLightroomで現像するとカメラJPEGとは「まるで違う」発色の写真ができあがるので、両方で現像して結果を比べ、好みに合う方を残すように最近はしている。そういえば、どこかで「(中身はLeicaのD-Luxと共通なので)LX100は発色をLeica寄りにしてある」という趣旨の記述を読んだような読んでいないような。もしかすると「撮像素子のチューニングをLeica寄りにして、JPEG出力処理で色味を調整することでPanasonic風な色のJPEGを出力する」ようにしているのかもしれないな。そうであれば、RAWのストレート現像結果がカメラJPEGと大きく違うのも頷ける。…どうなんだろう、違うかな。
憶測だけ書いても何なので、比較を3組ほど。
これらはLX100にて撮影した一枚の写真で、前者はLightroomでRAWをストレート現像したもの、後者はカメラJPEG。写真に興味の無い人でも、ここまで色味が違ければ分かるのではないかな…こうも分かりやすく差が出る例も珍しいので、ツマラナイ写真だけれども掲載してみた。どちらが良いかは趣向の世界になるけれども、自分は前者が好き…というか後者が嫌い。被写体は古びた昭和な旅館に備え付けられた鏡台で、所々の塗装がはげて年代を感じさせるもの。木目は塗料の色が褪せて生気が無く、どう見間違えても後者のようなケバケバしい色には見えない。鏡面の青いシールを見ても後者は実に鮮やかだが、年代物のシールで実際には色褪せていた。前者は前者で色が浅すぎると思うのだけれど、この二つを比べれば前者の方が明らかにリアルな色だと思う。個人的趣向では、もう完璧に前者が好み。
ただ、先の例で「ケバケバしい」と感じられた発色の傾向も被写体次第では強みになる。またツマラナイ写真で何だけれども、花の写真を挙げてみる。
今度はカメラJPEGの方が自然に感じられる。花を拡大して見ると色々感じるところはあるのだが、とりあえず置いておこう。この違いは、いわゆる「記憶色」という話になってくるのかな。おそらく物理的にはLightroomで現像した方の色に近い色なのだと思うけれども、人間の脳が花や葉(=食料がある)を色鮮やか(魅力的)に感じるため、花の写真は色鮮やかに加工したぐらいの方が「良い」と感じるのだと思う。何となく、Panasonicは日本人が好んで写真に収める桜・紅葉などの色合いを重視していそうな気がするのだけれども、まあ、どうでも良いか。とにかく、花は明らかにLightroomよりもカメラJPEGの方が良いと思う。ちなみに、これはOLYMPUS E-M1でも同じ。
さて、最後に「空」の写真を。
上に掲載した写真では、カメラJPEGの空の方が少し紫に寄った色合いになっている。また、空ではなく桜を見るとカメラJPEGの方が「桜らしい色」をしていると個人的感性では感じる。どちらが自然か?残念ながらこの日の空の色は今の自分の記憶に残っておらず、その答えは出せない。では個人的な好みで比較するならば?前者の色が好きだ。でも桜の色は後者の方が好き。こういう状況になると悩ましいけれど、やはり個人的な感覚として後者の空の色は滅多に見ない色をしており、少し気持ちが悪い。桜の色は名残惜しいけれど、前者かな。
LX100に限らず、空の色は難しいと思う。以前、肉眼で空を見つつE-M1のEVFに写る空が同じ色になるようホワイトバランスその他のパラメータをマニュアル調整したことがあるのだけれど、結局、合わせることはできなかった。上で書いたように、現像でも色味が変わる。この奥の深さも、写真趣味のおもしろさの一つということで。