仕事の帰り道。黄色に色付いた街路樹の下を通り過ぎるとき、そのうちの一本の葉が、黄と緑と赤の混じった何とも言えない微妙な色合いをしていることに気が付いた。黄色の街灯に照らされていたこともあり、普段は見かけないような色合い。一度は通り過ぎたが気になったため戻って改めて見ると、何とも魅力を感じる。この色を撮っておこうと思い、通勤鞄からLX100を出してホワイトバランスを実物と比較しながらマニュアル調整し、風が穏やかになる時を待ち、数枚撮影した。うちの一枚が次。
うーん、少々ピントが奥に行きすぎたな…まだまだ未熟。とはいえ(一番大きく写っている)葉の微妙な色合いを撮る、という目的は一応は達成できたと思う。まあ、自分的には上々。
その後、京浜東北線の下り線が人身事故により運行停止中ということで品川まで上ることになってしまった。そこで品川に着く頃、品川プリンスホテルがクリスマスツリー的なイルミネーションをやっていることを思い出し、せっかくなので途中下車(?)して少しだけ散歩することにした。品川プリンスホテルのイルミネーション、手前の建物などが邪魔をしてしまい正面の道からは、ほとんど見られない。それでは残念なので、一応全体が見える位置を探して撮るだけ撮ってはおいた。
何が20thなのだろう?下調べも何もせずに撮りに行ったので分からなかったが、とりあえず撮るだけ撮れたのでよしとしよう。
続いてJR品川駅の反対側、高輪口に移動した。プリンスホテルを正面の高い位置から見られる(かつ一般人が入れる)場所が無いか探すつもりで出てみたのだが、いざ出ると今日は新月。空は完全な暗闇なので明かりの付いたビル群が美しく映える。そこでプリンスホテルのことはいったん忘れ、いくつかビルを撮影した。その一枚が次。
品川インターシティ映り込んだ、他のビル群にフォーカスした。個人的に、こういう写真はカメラの解像力がモノを言う部分が強いと思っている。というのは、現像処理や編集で稼げるのは解像「感」でしかなく、普通のコンデジやスマホで撮った写真をいくら加工しても、思わず細部に見入ってしまうような精緻な画にはならないから。ということで、編集したとはいえ、コンデジでここまでの画になるとはLX100はさすがだと思う。
ついでに全体も撮っておいた。
黒一色の夜空を背にした品川インターシティ。ピントは同じく映り込みに。絞りについて深く考えずに撮影してしまったが、後で計算してみると焦点距離(35mm換算で)24mm、f/4.0なので、被写体との距離が10mも離れれば過焦点距離を超える。この写真を撮った場所からインターシティは10m以上離れていると思うので、何も考えていなかったくせに悪くない絞り値を選択していたようだ。
そういえば品川インターシティには以前撮りに来たことがあった。2014年6月なので、写真趣味を始めて半年と少し経ったぐらいか。そのときと同じ場所に立って、好きなように撮ってみて、どの程度自分の腕が上達したかを試すのも一興と思い、以前撮影した場所に向かうことにした。が、その途中、天井のガラスパネルをうまく使えば面白い画が撮れるかもしれないと気が付いた。そして試してみたのが次の一枚。
天井のガラスのパネルに映り込んだ自分自身を撮っている。もちろん、それだけでは面白くない。どう面白くしようとしたかというと、ガラスを透かした向こう側に整然と列んだ高層ビルの窓が写っているところ。撮影時刻は遅いというほど遅い時間ではないものの、すでにビルの窓明かりが「まばら」に消え始めており、パネルを透かして見える窓が一律に明るく灯っているような位置を探してずいぶんと歩いた。もちろんガラスのパネルとビルの壁面が可能な限り平行になる、という条件も意識した。結果は、パネルの仰角を正確に捉えられていなかった等の反省点はあるものの、意図した通りの画を作ることができた。この結果には、満足。
さて、その後、昔の自分が撮影した場所に立ち、今の自分なりの感性で撮ってみた。なおその場所はデッキのような橋のような構造物で、人が通り過ぎるたびに揺れる。しかも人通りがなかなか途切れない。そのためシャッタースピードをかせぐためにISO感度を800まで上げ、何度かトライすることにした。十枚近く撮った中のベストは次。
この写真のように、曲線を広角で強調しつつ傾けて疾走感を出すのが大好きで、この手の建築物では毎回と言って良いほどこう撮ってしまう。まあ自分的には「いつもの写真だな」という感じなので取り立てて良いとも悪いとも思わないが、昔の自分が撮った写真より良くなったかな、と思う。ちなみに昔Nikon Coolpix P330で撮った写真は次。なお、縦撮りしたところカメラが縦横を勘違いして横倒しの写真になってしまったのだが、これはこれで面白いと思って倒したままにしている。
少し前まで通勤鞄に忍ばせていたカメラはP330だったが、あの機種は暗所での撮影性能が低いため日没後に屋外で使うのはつらいと思っていた。LX100を買った理由の一つが実はこれで、仕事帰りに面白いモノを見つけたときに撮ろうと思えば撮れるカメラが欲しかったのだ。今日は、見事にLX100が期待に応えてくれた。本当に良い買い物だったと思う。