月は地球の周りをぐるぐる回っているわけだけれど、完璧に同じ距離で回っているわけではない。ということは、距離が近づく時期の満月は、他の時期の満月に比べて大きく見える、ということになる。この満月を「スーパームーン」と呼ぶのだそうだ。
うーん、なんとも小さいスーパームーン……。ネットで「スーパームーン」と検索すれば巨大な満月の写真が大量に出てくる。それらに比べて上の写真のインパクトの弱いこと弱いこと。。
ところで、Wikipediaによるとスーパームーンのサイズは「一番小さく見えるときの14%増し」程度らしい:
…地球から最も遠い距離(遠地点・同約41万km)にあるときの満月と比較して14%大きく見え、30%程明るく観測された(NASA)[5]。
—— 満月 – Wikipedia
では巨大な満月は合成写真なのか?そうではない。単純に、「焦点距離が長いレンズ」を撮影に使っているのだと思う(平たく言うと、最大限ズームして撮影する)。
焦点距離を長く(ズーム)すればするほど遠くにあるものが大きくなる。もちろん、近くにあるものも大きくなる。が、その「大きくなっていく具合」は圧縮効果と呼ばれる効果により遠い方が強くなるらしい。つまり、ズームすればするほど「遠いものが(相対的に)大きく、近いものが(相対的に)小さい」絵になっていくのだそうだ。なので、地球上にある遠いモノを前景にしながら満月を撮影すると、満月が大きくなる度合いに比べ、前景が大きくなる度合いが小さくなり、結果的に満月が非常に大きく感じられる写真になる。
上の写真は、会社帰りに持ち合わせのコンデジ(Nikon Coolpix P330)で最大限ズームした状態で撮影したもの。35mm換算の焦点距離は120mm。実は自分が持っているデジタル一眼用のレンズで一番焦点距離が長いのは150mmなので、仮にデジタル一眼を持っていたとしても撮れた写真に(絵的な)大差は無かっただろうなと思う。