fav数が妙に多いのでexplorerに選ばれたんだろうなと思ったら、やっぱりあった。昨晩アップロードしたこの写真。2016年11月12日のexplorerらしい。
モノレールの橋脚だ。この手の構造物は好物で、光の当たり具合など欲を言えばもっと良い条件はあるけれども、見た瞬間に構図も決まり、すぐに撮る体勢に入った。ん、偉そうに聞こえるかもしれないけれど、この構図だからね。バカの一つ覚えってところだ。
こういう写真はコントロールがとにかく重要で、ファインダーをのぞく前に九割以上が決まってしまうと思っている。頭の中で構図を決めてから、およそ真正面と感じる位置に立ち、(E-M1は光軸上にファインダーがあるので)左眼から対象物へ向かう視線が対象物の中心線と直行するよう立ち位置を調整して、対象物の視覚的に目立つ直線または仮想補助線とフレームの交差角が調和(直交など)するよう意識しながら微調整する。にじり、にじり、と立ち位置を微調整して納得の行くバランスになったら、シャッター…の前に、一度深く息を吸って肩の力を抜いて、その結果崩れた構図をまた直して、静かに息を吐きながらシャッターボタンに置いた指を沈めていく。長いときは4秒とか、それぐらいかけてシャッターが切れるまで待つ。
フレーム内を走る線が整っている写真と整っていない写真との間には、チラリと見ただけで分かる違いがある。人工構造物は強いシンプルな直線・曲線を含んでいるものが多いのだけれど、その線を魅力的に見せたければそれらの線だけでなく、「写真のフレーム」という線とも調和させる必要がある。なにせ写真のフレームは被写体の魅力に頼れない要素であって、撮影者の完全なるコントロール下にあるのだから、ここに気を遣わなければ仕方が無い。そして、その調和は本当にわずかな撮影時のズレで崩れてしまう。だから、この種の写真を撮る時はシャッターに気を遣っている。
自分にとって写真は「趣味」であって、肩に力を入れず、静かに楽しみたいもの。そういう意味で、この「儀式」は自分によく合っていると思う。