AiB Tools の機能概要

システム概要

AiB Tools には次のアプリケーションが含まれています。

AiB Tools は、これらによって多くのスクリーンリーダーでアクセス可能な環境を作ります。

対応環境

AiB Tools は 日本語版または英語版の Microsoft Windows で動作します。 対応する Windows のバージョンは次の通りです。

なお 64bit 版(x64 Edition)の Windows でも動作いたします。

また、AiB Tools は以下のスクリーンリーダー環境での動作に対応しています。

高品質な点字表示機能

AiB Tools は、 ニュー・ブレイル・システム株式会社のピンディスプレイ点字出力エンジン 「ピンブレイル」を利用して、極めて正確な点字を表示できます。

対応している点字ディスプレイの機種

対応している点字ディスプレイの機種には以下のものがあります。

対応している点字体系

対応している日本語の点字体系は次の通りです。

対応している英数字用の点字体系は次の通りです。

なお「詳細読み表示」は点字の体系ではなく、 個々の漢字を簡単な説明文で表示する方法です。 たとえば「山」を「やまのぼりの やま」と表示します。

ピンブレイルによる点字出力の特徴

ピンブレイルによる点字出力では「個々の文字の種類を区別しやすい」 というプログラミング作業で非常に重要なメリットがあります。 たとえばアルファベットの全角と半角を区別したい場合、 全角のアルファベットは日本語文字として表示され、 半角のアルファベットは英数字として表示されます。 日本語用の点字体系と英数字用の点字体系が切り替わる箇所にはフラグが入るので、 アルファベットが出てきた場所が日本語文中であれば全角、 英数字文中であれば半角、と区別できます。 またスペース類の区別も、カーソルをそのスペースに置くことで区別可能です。 ピンブレイルは点字ディスプレイにカーソルを表示する方法として 「カーソルの位置にある文字に下線を引く、またはその文字を点滅」させます。 そのため、空白文字にカーソルを合わせた状態で下線が引かれた (あるいは点滅している)点字セルを数えることで、 半角スペース、全角スペース、タブ文字を区別できます。

対応している点字体系

なお、AiB Tools の点字表示機能は OFF にできます。 ピンブレイルと互換性の無い点字表示機能を持ったスクリーンリーダーをお使いの場合、 スクリーンリーダーの点字表示機能と AiB Tools の点字表示機能は同時に使えません。 このような場合は次のような設定でご利用下さい。 Windows 標準の「ワードパッド」と同等の点字表示が行われるはずです。

端末エミュレータ AiB Terminal の特徴

AiB Terminal はスクリーンリーダーでの読み上げが可能な端末エミュレータです。 端末エミュレータとは、簡単に言えば Windows の「コマンドプロンプト」の代わりとして利用できるアプリケーションの事です。

  1. 高品質な点字表示

    「ピンブレイル」により高品質な点字表示が可能です。

  2. Ctrl+Break イベント送信機能

    どんな熟練プログラマであってもプログラミングの過程でプログラムを暴走させてしまう事はあるものです。 AiB Terminal は、プログラムを強制終了させる Ctrl+Break イベントを送信する機能を搭載しています。 たとえプログラムが暴走したとしても Ctrl キーを押しながら Break キーを押せば停止できます。

テキストエディタ AiB Edit の特徴

AiB Edit は Windows の操作体系に乗っ取った、 重度視覚障害者向けのテキストエディタです。 Windows の「メモ帳」を使える方であれば簡単に使いこなせる上に、 多くの機能を持っています。

  1. 高品質な点字表示

    ピンブレイルを利用して高品質な点字表示が可能です。

  2. 点字ファイル形式でのファイル出力機能

    編集中のテキストを各種の点字ファイル形式で出力できます。 出力できる具体的なファイル形式は次です。

  3. アウトライン機能

    テキストエディタは「行」を単位に操作するものです。 しかし、多くのプログラミング言語は「行」を単位にプログラムを作りません。 プログラムのソースコードは、たとえば C 言語では「関数」を、 Java 言語では「クラス」や「メソッド」を単位にプログラムを作ります。 したがって、行を単位とした移動に加えて関数やメソッド、 クラスなどを単位に移動あるいは一覧表示する機能があれば開発効率が上がる事は間違いありません。 アウトライン機能は、それを実現します。

    アウトライン機能を実行すると、 編集中のプログラムを構成しているクラスやメソッドがツリー形式で表示されます。 表示されたクラスやメソッドを選択して Enter キーを押すと、 それが開始する行の先頭にカーソルが移動します。 また、アウトラインの画面を開いた直後はカーソルが置いてあったメソッドが選択されるようになっています。 そのため、アウトライン画面を開くとカーソルを移動せずにカーソルがどのメソッド、クラスにあるのか確認できます。 これは特にソースコード編集中にカーソル位置が分からなくなった時に役立ちます。

    なお、アウトライン機能が対応しているプログラミング言語は Java、Ruby、C、C++ です。 またプレーンテキストでは行頭に * が書かれた行を見出しと解釈してアウトライン表示します (PukiWiki の書式)。 対応言語は追って増やしていく予定です。

  4. 各種文字コードへの対応

    日本語 Windows で標準的に使われている Shift_JIS をはじめ、 電子メールで使われている JIS(ISO-2022-JP)、 UNIX 系システムで使われている EUC-JP、 そして世界標準である Unicode に対応しています。 対応している文字エンコード方式は次の通りです。